晴天。
黒い参列。
着慣れないスーツ。
白いシャツにじっとりと染み入る汗。
外では蝉が。
しつこい。
つながりの中にあった人達が集まる。
参列は作られる。
焼香が順に済まされていく。
式の流れの中にいる自分。
故人を思う気持ち。
それだけを持ってこれればいいのに、余計な考えがちょうど目と目の間のところで
チリチリと音を立てている。
人の死は等しく追悼されないのか。
こんなところにまでつながりがつきまとう。
つながりの薄い者、ない者はあまり何も感じない。
世の中はこれ平然と流れている。
いや、そんなの違うんだと何度も言う声は
消えてしまう。
もし、自分が死んでしまったら。
そして亡くなった人が待っているとされる世界は。
自分達の都合の良い発想で作られた世界じゃない世界がそこには
あって欲しい。
そして死という事実がこれだけの人を動かしている。
きっと普通に会っていたら、素晴らしい同窓会が開けるような面々が
このホールに集まっている。
亡くなった先輩も交えて、もっと前に何かできなかったのか。
だけど、先輩の顔を見た瞬間に
そんなものは全て消えさって
口を真横一文字にし
廊下を去るほかなかった。
そして、気持ちの悪い青さの元
地面にびっだりと足が張り付いたように立ち尽くす参列は
翼をくださいという歌を
これほどお決まりな歌はないが
この時ほどしっかり歌ったことはなかった。
声が震える。
霊柩車の前の先輩は号泣する。
ダメだ、自分も空を見上げる。
車の去った後、全てが終わったんだと実感する。
そしてまた、それぞれの生活に立ち戻る。
手元には一冊の赤本。
先輩のくれた物だ。
俺は戦わなければならない。